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買取実績

買取実績: 【群馬県】人間国宝 近藤悠三の花瓶を買取しました。

商品名

【群馬県】人間国宝 近藤悠三の花瓶を買取しました。

買取種別
出張買取
買取金額
20000円

カテゴリー

今回の買取実績は、人間国宝、近藤悠三の山水染付花瓶です。
水彩画や蒔絵の硯箱と共にお譲り頂きました。
今回は群馬県高崎市のお客様から、昔、商売をしていた母屋を取り壊すことになり様々な品物が出てきたが、価値があるものかどうかわからない、と言ったご相談を頂き、出張査定にお伺いしました。

近藤悠三は、「染付」の重要無形文化財を保持している作家(人間国宝)です。
今回のお品はその「染付」の花瓶になります。
近藤は戦前までは、象嵌や瑠璃釉を用いた物など、様々な技法で制作を行っていましたが、染付だけを制作するようになったのは、昭和23年ごろからだそうです。近藤悠三 買取(20160128)01.jpg

こちらのお品に同梱されていた略歴にはまだ人間国宝の記載がありません。
近藤が人間国宝に認定されたのが75歳(昭和52年)のことですから、それ以前のお品という事が伺えます。

近藤悠三 買取(20160128)02.jpg

こちらのお品はなんといっても大胆な図柄に目を惹かれますよね。
青色の濃淡のみで描かれた山水は、どこか水墨画や書の趣が感じられませんか?
というのも、作者である近藤悠三は良寛(江戸時代後期に活躍した書家であり歌人・漢詩人)の詩と書を好んでいたと言われています。
そのため、近藤は良寛の詩を自分の焼き物に描いた作品も多く制作しています。

近藤悠三 買取(20160128)03.jpg

一線、一線、力強く描かれた線には、書にも似た、独特の緊張感がありますよね。
このように、近藤は陶芸だけでなく様々な分野に興味を持ち、勉強していたと言われています。
そのきっかけとなったのが、師である富本憲吉から独立に際して贈られた言葉でした。
それが、「陶芸以外の事をうんと身につけなさい。陶器以外の事が身につけば身につくほど君の陶器が立派になる」です。
これは、陶芸だけでなく様々な芸術や事物に触れなさい、といった意味であったようです。
師から独立した近藤は、そのまま陶芸家としての活動を始めるのではなく、京都の関西美術洋画研究所でデッサンを学びました。
また、トルストイやドストエフスキーの小説なども愛読し、漢詩や書も学んだそうです。
本当に沢山の分野を学んでいますよね。師の言葉を受け、積極的に知識を吸収しようとしていたことが伺えます。
近藤を人間国宝までに押し上げた「染付」の大胆な表現は、それまでの近藤の歩みをしっかりと表していますよね。
師からの言葉を体現した、近藤にしかできない表現である言えるのではないでしょうか。

近藤悠三 買取(20160128)04.jpg

ここで「染付」について、今回のお品を例に挙げて、簡単ですが説明させて頂きます。
以前にも『伊万里の古伊万里色絵盃洗』で簡単に紹介させて頂きましたが、染付とは、石から精製された釉薬「呉須」で絵柄を描画し、その上に、表面のガラス質となる透明釉薬を施したものです。
青と白のみで構成されたシンプルな技法です。
ですが一見単純なこの技法にも、深い表現の幅があるんです。

近藤悠三 買取(20160128)05.jpg

例えばこちら、黒く焦げたようになっていますよね。
呉須の中に含まれる、鉄などの不純物によって起こる現象です。
染付においては、濃淡や表面の表情といったものが全体を飽きさせないためのアクセントになってきます。

呉須について深い知識をもっていた近藤は、呉須の精製(不純物を取り除いていく工程)を途中でやめることによって、あえて不純物を残し、こういった釉薬の表情(味)を「わざと」作り出していました。
呉須は不純物が多すぎると茶色や黒に変色してしまいます。
特徴を理解し、わざと味を出す事は、熟練の職人にしかできない技術と言えます。

近藤悠三 買取(20160128)06.jpg

釉薬は、粘土や泥、灰などを水と混ぜることによって作られる泥状の薬品です。
この染付に用いられている釉薬で言えば、焼成時の熱で呉須は青く変色しながら溶け、透明釉薬は透明なガラス質に変化します。
透明釉薬は、施釉の時点では白い泥状のものです。
つまり、焼成前には壺全体が白い泥に覆われて、仕上がりが全く想像できません。
ですが、窯を開けてみた時、焼き物はまるで生まれ変わったかのように変化しているんです。
最近では、登り窯の見学や、短時間の陶芸体験など本来なら何日もかかる陶芸の体験が気軽に味わえるようになっていますよね。
施釉や絵付け、窯を開ける瞬間を体験してみてはいかがでしょうか。きっと焼き物を見る目も変わってくると思いますよ。

買取査定員からのコメント

スタッフからのコメント

ご商売をされていたということで、帳場箪笥や大きな建具等、様々なお品を買取させて頂く事ができました。大型のお品も多くあり、帰りはトラック一杯にお品物を乗せて帰ることができました。今回の買取では、女性おひとりでの立ち会いとなりましたが、大きなお品物の運び出しには専門スタッフ二人で当たらせて頂きました。運び出しや家具の移動等は専門スタッフが担当しております。どうぞご安心下さい。今回お譲り頂いたものの中からまたご紹介させて頂きたいと思います。ありがとうございました。価値が分からない物、処分に困っているもの等がありましたらこちらの査定フォームこちらの査定フォームよりお問い合わせくださいませ。


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