買取実績
今回の買取実績紹介は、1960年代のブリキのおもちゃで、8マン(エイトマン)サンダーバードです。神奈川県在住のお客様より買取させて頂いたお品なのですが、ご自宅から出てきものではなく、ご実家の物置で発見したそうです。ご実家はご両親が亡くなり今は誰も住んでいないそうですが、手入れをしておかないと、いざ賃貸や売却の時に大変ですし、荒れた家屋は放火などの犯罪に巻き込まれる可能性が高いので、時々、お掃除に行くのだそうですよ。
さて、今回の8マン(エイトマン)の絵柄がプリントされたブリキのおもちゃですが、とても珍しく、なかなかお目に掛かれない希少品です。しかも通電しており、コントローラーで動かせます。コントローラーコードのカバーが劣化して一部、剥がれてしまっていますが通電は確認できましたので、断線している訳ではありません。
トノー・カバーが外れて欠品している場合も多いのですが、きちんと付いているのも良いですね。
唯一欠品しているものは、外箱と説明書だけと言った具合です。
アンティークのおもちゃは「外箱が大事」と多くの皆様がご存じの通りで、当店でも箱のある・無しは査定に響いてしまいます。今回のお品物はレア商品ですので特にその差は大きく、箱無しで2万円の買取をさせて頂きましたが、もしも箱までついていたら3万円〜でお取引をお願いしたと思います。市場に出回っている数が多いお品物ですと、箱のあるなしはあまり査定に大差ない事もありますが、希少品・レア物であればあるほど、箱の存在は重要になってきます。箱が破れていたり、変色してダメージを受けていても、構いません。全く無いより、ダメージがあっても箱はある方が高価買取の対象になりますので、もし売却をお考えのアンティークの箱つきおもちゃがありましたら、是非、おもちゃ本体に添えて下さい。
では、8マン(エイトマン)のキャラクターやストーリーなどに関しての解説です。
8マンは1963年から週刊少年マガジン(講談社)で連載開始された少年漫画です。
ジャンルとしてはSFバトルアクション漫画になります。
漫画は今も昔もストーリー作りから作画まで一人でする場合が圧倒的に多いですが、8マンは原作と作画が一人ずつ(原作:平井和正、作画:桑田次郎/別名義:桑田二郎)のコンビで描かれていました。おおまかなストーリーは、刑事だった主人公・東八郎が殉職後、サイボーグとして蘇えり、表向きは私立探偵として生活しつつ、難事件や怪人に立ち向かうと言う、少年漫画の王道パターンです。8マンの「8」は名前の八郎から捩ったものではなく、作中の警視庁は7組のチームを編成している設定になっているため、サイボーグ化した東は一人、8番目のチーム=8マン(エイトマン)と名乗っているのだそうです。
また、原作タイトルは「8マン」が正しいのですが、アニメでは「エイトマン」とカタカナ表記です。アニメ化にあたり放送局はTBSだったのが影響しています。地デジに移行してから、チャンネル数を気にしなくなりましたが、数年前までは関東地方の方だと、HNKは1チャンネル、教育テレビは3チャンネル、日テレなら4チャン……と放送局ごとにチャンネル数があったのは記憶に新しいと思います。そして8マンと同じ数字の8チャンネルはフジテレビなので、6チャンネルのTBSとは他局です。数字表記だと、他局の宣伝の様になってしまうと懸念した制作サイドは、苦肉の策としてタイトルを「エイトマン」に改変したと言う訳ですね。
アニメは1963年11月〜1964年大晦日までの約1年間、放送していました。
原作はそれより長く1965年まで続きましたが、作画担当の銃刀法違反により打ち切りになっています。
次にキャラクターがプリントされている車体は、原作やアニメに出てくる8マンの愛車ではありません。1960年代当時の人気車種とのコラボグッズだと思われます。
車体は外観から察するにアメリカのフォードから発売されているサンダーバード、通称T-Bird(ティーバード)シリーズの第3世代目「ビュレット・バーズ」ですね。ビュレット・バーズは1961年〜1963年に発売されていた人気車種で、ケネディ大統領やエルビス・プレスリーなどの著名人も乗車したそうですよ。
念の為、申し上げますと、ケネディ大統領暗殺事件の際に乗っていたのは別の車種で同社フォードブランドであるリンカーン・コンチネンタルの改造オープンカーです。
サンダーバード(T-Bird)シリーズの第1〜第2世代は四角張った(俗な言い方をするとゴツイ)外観をしていましたが、3世代目は凹凸が少なくスッキリとした流線を描くスマートな車体が特徴です。8マン(エイトマン)の原作連載およびアニメ放送期間が1963年からですから、サンダーバード第3世代「ビュレット・バーズ」はすでに生産の終盤ですね。流行に若干の時期のずれが見受けられますが、現代とは違いアメリカの流行が少し遅れ入ってきていた当時の日本では、ちょうどビュレット・バーズの人気が出た頃なのかもしれません。
ちなみに8マン(エイトマン)はスピードが自慢のサイボーグで、時速3000km(マッハ2.4)を誇る設定上、車に乗る必要すらないスーパーロボットです。そう考えると車とのコラボと言うのは考え次第ではジョークのようで、面白いですね。
最後に、8マン(エイトマン)は曰くが多い作品で有名です。上で述べた通り作画担当の方が銃刀法違反で逮捕され、連載が打ちきりになってしまったり、アニメの主題歌を歌った歌手が殺人事件や薬物所持で逮捕されてしまったり……。しかし、昭和30年代を代表するスーパーロボットの一人である8マン(エイトマン)は今も人気があり、2005年〜2007年にマガジンZ(講談社)内で『8マン インフィニティ』 と言うタイトルで続編が描かれています。残念ながらマガジンZが休刊になってしまったので、更なる続編が描かれるかは判りませんが、第1部完結までを収録した1〜6巻が発売中ですのでチェックしてみて下さいね。
ブリキのおもちゃ以外にも、ソフビのウルトラマン怪獣もたくさんお譲り頂けました。おもちゃ以外には茶道具の棗や茶杓、鉄瓶、長火鉢など、多種の買取をさせて頂き、誠にありがとうございました。倉庫や蔵の整理で処分をご検討の古道具や骨董品がありましたら、お気軽にこちらの査定フォームこちらの査定フォームよりお問い合わせくださいませ。携帯やスマートフォンで撮ったお写真を添付して頂けますと、スムーズにお話が進められますので、画像添付でのご利用をおすすめ致します。