買取実績
今回の買取実績は、東京都文京区にお住まいのお客様よりお譲り頂いた燿変ガラスの水指(茶道具)です。
ご自宅でお茶の先生をされていたお客様からのご依頼でした。
教室を閉じることになったため、集めていた茶道具の整理のためご連絡されたそうです。
こちらのお品は作家物ということで10000円で買取させて頂きました。
現代作家のお品である場合、共箱と一緒に保管していて下さると、作者の名前や販売元が判断できるため、お取引がスムーズになります。
また、売却を考えられた際にお客様自身でお品の価値を調べることができるメリットもありますよね。
作品裏側にも年代(1988年)と名が確認できました。
今回のお品は茶道具のひとつである水指です。
水指とは、茶道具の一つです。点前(てまえ)の際に湯の温度を調えるために用いられるものです。
金属や陶磁器のものが多く、陶磁器の本体に漆の蓋、金属の取っ手が付いたものなど、様々な様式の品があります。
その中でも、ガラスで作られた水指は珍しいと言えると思います。
ここで、「ガラスなのに熱いお湯を入れて割れてしまわないの?」というお声が聞こえてきそうです。
高温のお湯を入れる、と言う用途は、ガラスに不向きと言えますよね。
ですが、こちらのお品は燿変ガラスという耐熱ガラスの一種が用いられているため、高温での使用が可能なんです。
あまり知られていないことですが、従来の耐熱ガラスには色や柄を施す事ができませんでした。
この燿変ガラスは、耐熱ガラスに自由に色をつけることができます。
燿変ガラスは、ガラス製品のデザインの幅を広げるだけでなく、美術品を実用に耐えうるものにしました。
こちらのお品は青と黄色が混ざり合う途中のような色柄がとても美しいですよね。
これは「燿変色」と呼ばれる現象だそうです。
ガラス器の制作時に加える原料に、加熱、急冷によって発色が変化する素材を加えることによって、自然に現れる模様です。
このような美しい模様や色が自然に出てきたものであるとは驚かされますね。
今回のお品で言えば、上部に規則的に燿変が表れています。素材の特徴がとても良く生かされていますよね。
この燿変ガラスですが、石川県にある「能登島ガラス工房」が開発しました。
こちらのお品の作者である由水常雄氏は、この工房の設立企画コーディネートにも携わっているそうです。
由水常雄氏はガラス工芸作家であると同時に歴史研究者でもあるそうで、著作をいくつも発表しています。
ここまでにご紹介した燿変ガラスは最新の技術であることからも、この一面には驚かされますよね。
広くガラスの研究に携わっている人物のようです。
歴史研究の面からは、正倉院に伝来したガラスの由来を研究しており、紺琉璃坏(こんるりのつき)等の復元を行っているそうです。
最後に、今回は茶道具のご紹介という事なので、茶道具の「取り合わせ」について簡単にご紹介させて頂きます。
「取り合わせ」とは、お茶席における茶道具一つ一つの調和をを計ることを言います。
取り合わせで大切なことは、「時」「所」「位」であると言われています。
これは「いつ、どこで、だれが」と言い換えることもできます。
最後に、今回は茶道具のご紹介という事なので、茶道具の「取り合わせ」について簡単にご紹介させて頂きます。
「取り合わせ」とは、お茶席における茶道具一つ一つの調和をを計ることを言います。
取り合わせで大切なことは、「時」「所」「位」であると言われています。
これは「いつ、どこで、だれが」と言い換えることもできます。
具体的な方法としては、「道具の選び方に規則を設ける」という方法が挙げられるそうです。
例えば、
・掛物を中心にする。
・年代を揃える。
・年代順に並べる。
・会の目的に合わせて道具を組み込む。
といった方法があるようです。
お品のバックグラウンドを知る事で、茶席の楽しみがぐんと広がる事が伺えますよね。
今回のお品であればみなさんはどのような物と取り合わせをされるのでしょうか。
実際に茶の湯を主催するとなると、知識や経験の深さが必要になりますが、
まずは好きな道具の組み合わせを考えるだけでも。
今回はお茶のお教室をされていたお客様からのご依頼ということもあり、他にも鉄瓶や色絵の火鉢、花瓶、軸などをお譲り頂きました。お茶の先生という事もあって、お品に関する知識も深く、大変スムーズにお取引させて頂きました。買取の際にお客様から勉強させて頂く事も度々です。お家に気になるお品がありましたら、是非こちらの査定フォームこちらの査定フォームよりお問い合わせくださいませ。