買取実績
今回、買取実績でご紹介するお品は、東京都足立区にお住いのお客様よりお譲り頂いた備前焼の仁王像です。
ご依頼主のお父様の遺品整理の際に出てきたもので、出張査定に来て欲しいとご連絡を頂きました。
こちらのお品は大変珍しいものであったため、こちらは7万円のお値段をつけさせて頂きました。
先述しましたように、こちらは備前焼の中でも珍しいお品になります。
こちらは細工物(さいくもの)と呼ばれる工芸品になりますが、備前焼の細工物は、数のうちでは狛犬が多く、仁王像の細工物は珍しいと言えます。
備前焼には、『火だすき』と言う、焼成の際にできる表面の模様があり、色やテクスチャによって名称があります。備前焼、と言えば、マットで硬質な質感に褐色の生地の物を連想される方も多いと思います。
その中でも、この「青備前」は、焼成の際に空気の当たらない場所をわざと選ぶこと(蒸し焼きにするようなイメージ)で青灰色を作っているそうです。製造が難しいとされ、珍重されている品だそうですよ。
また、今回のお品は外箱と共にお譲り頂きました。
ここに書かれている「古備前(こびぜん)」とは、鎌倉時代から桃山時代にかけての備前焼のことを指します。
本体には製作時期が天正10年(1582年)とありますので、400年ほど前の物と思われます。
ですから、箱には後の持ち主が古備前と墨書きしたと考えられるため、箱のみ、明治期頃に作られたものであると思われます。
製作地は現在も備前焼の産地である岡山県備前市伊部ですね。
このように、時代の年数やお品自体は申し分無かったのですが、本体に欠損箇所がいくつかあり、特に、阿形の指と吽形の羽部分は、お品物にとってかなり大きなダメージでした。
そのため、今回の査定価格は7万円でしたが、完品であれば30万程度のお値段をつけることが出来たのではないかと思います。
ダメージがあっても7万円の買取金額をつけられた理由の一つには、繰り返しになりますが、年代が古いものであることが挙げられます。
これが明治の頃など少し若い時代になると、完品でも5千円〜1万円位の金額になります。
やはりお品物の状態や制作時期は、査定価格や買取の可否に大きく影響します。
今回で言えば、完品の四分の一程度のお値段になってしまいました。
ですが、これはダメージがある=買取不可ではない、と言うことでもあります。
今回のように珍しいお品であったり、価値のあるお品(作家が著名な人物である、歴史的価値がある、珍品、等)であれば、ダメージがあっても買取の可能性は十分にあります。
お客様としても、ダメージがあり、品物の価値も分からない、、、そういったものは売却しようにも、どこに、どのように頼めば一番良いのか、悩まれますよね。
今回のご依頼主様も、お父様のコレクションであったため、その真贋が分からず困っていらっしゃったそうです。
ただ、家族ですのでそれを安く購入していたわけではないことはわかっていたため、扱いに困るよりは…と、査定を依頼されたそうです。
お父様のコレクション30点前後をお譲り頂き、買取金額は合計140万円になりました。
これは当店としても、大口の買取に分類されます。
どのお品もお父様の審美眼が光った質の良いものばかりで、当店としてもとても良い買取ができました。
そして何より、そのことをお伝えしたご家族に喜んで頂けて、大変有意義な出張買取となりました。
当店では、今回のようにダメージのあるお品も、出張買取で何点かまとめて買取をさせていただく際に見せて頂ければ、買取の可能性も高く、お値段も1点のみの場合より、高く設定することが出来ます。
ダメージがあるからといってしまっておかず、査定に出してみてくださいね。
今回の買取は総額140万円で、当店としても大口の買取となりました。今回ご紹介したお品の他にも、中国骨董、宋時代の磁州窯、銀瓶、江戸時代のそば猪口等をお譲り頂きました。比較的年代が古いお品が多かったことが、高額買取に結び付きました。また、帰りに蔵も少し見せて頂き、買取できそうなお品が何点かあることをお伝えしました所、後日再び出張査定にお伺いすることになりました。遺品整理や蔵の片づけ等でお困りのお客様がいらっしゃいましたらこちらの査定フォームこちらの査定フォームよりお問い合わせくださいませ。この度は誠にありがとうございました。