買取実績
今回の買取実績は腕時計で、ロレックスのオイスタークロノグラフ Ref.6234 です。
神奈川県横浜市在住のお客様のお父様の遺品整理をしていたところ、偶然発見したそうです。残念ながらケースなどに保管されていた訳ではなかったので状態がやや悪いですが、希少品のため買取させて頂きました。
こちらの商品名は1950年代に発売されたオイスタークロノグラフRef.6234と呼ばれるもので、クロノグラフ(Chronograph)とは、簡素に説明しますとすとストップウォッチ機能の付いた腕時計や懐中時計の事です。ロレックスがクロノグラフ搭載型の腕時計を発売開始したのは古くは1930年代からで、当時は自動巻は開発されておらず手巻き式でした。Ref.6234も手巻きです。
ロレックスと言いますと、様々なタイプの腕時計を数多く発売している世界屈指の腕時計メーカー企業ですが、意外な事に、このストップウォッチ機能の付いたクロノグラフシリーズは現在1つしかありません。「デイトナ」と呼ばれるシリーズがそれに当たります。正式名称はオイスター・パーペチュアル・コスモグラフ・デイトナと言い「コスモグラフ」はロレックス独自のクロノグラフの別称だそうです。
しかし、今回のお品物、よく観察しますとコスモグラフやデイトナの文字・刻印が全く見当たりません。何故なら「デイトナ」の名を冠するクロノグラフ搭載のシリーズの記念すべき初代は1960年代に発売開始されたのです。ですので、それ以前のロレックスのクロノグラフ型腕時計はデイトナシリーズには含まれず、1950年代に発売された今回のOYSTER CHRONOGRAPH Ref.6234もデイトナではありません。オイスタークロノグラフは初代デイトナのルーツであり、源流に当たるお品です。
もう少しよく文字盤を観察すると、写真では判りにくいですが「アンチ・マグネティック」と英表記されています。これは耐磁製品であると言う事を意味しています。目には見えませんが地球には磁気がありますので、いつの間にか影響を受けており、時計の針が狂ってしまいます。腕時計に限らず精密機械にとって磁気は天敵です。そして出来る限り影響のないように製作された腕時計にはアンチ・マグネティックの表記がされているとの事です。アンチ・マグネティックの腕時計製品が出始めたのは1950年代だと言われています。電車の動力として電磁石モーターが使用され始めて人工的に磁気を発生されるようになったのが理由だそうです。アンチ・マグネティック腕時計開発の先駆者はスイスの腕時計メーカーとしてロレックスと双璧を誇るオメガでした。
ベルトの状態が良くありませんが、エンブレムはしっかりと確認できます。
横から見ると風防の表面が多少劣化しているのが見て取れますが、こちらのお品の風防はプラスチック製のため擦り傷がつきやすく酷い場合は時計盤が読み取れないものもありますので、裂傷は激しくなく比較的綺麗です。
1950年代まで遡るロレックスのオイスタークロノグラフは本当に貴重で、お譲り頂き誠にありがとうございました。腕時計の他にも茶箪笥や帯戸の建具類もありましたので、出張買取で対応させて頂きました。ただ捨ててしまうには勿体無い動かないアンティーク腕時計などがありましたら、是非お気軽にこちらの無料査定フォームよりお問合せ下さいませ。