茨城県水戸市にお住まいのお客様からお譲り頂きました、ぐい呑みです。

作者は鈴木五郎。

陶芸家でありながらも、流派や焼き方にとらわれることなく、職人というより芸術家、アーティストとして活躍されている人物です。

とらわれないのは焼き方だけではありません。この作品を見てもわかるとおり、型にハマらない、オリジナリティ溢れた作品を創り出している作家で、巨大でインパクトの強い作品をつくることでも有名です。一方で、この作品のような小さなぐい呑みも製作しています。

今回お譲り頂いたお品は、鈴木五郎の出身地に近い岐阜県で発祥した「織部焼」になります。織部焼の特徴は「左右非対称」「破格の造形」。まさに彼が目指すものと一致します。技法を取り入れていったのは、自然の流れといえるでしょう。

織部焼の特徴は、この作品でも存分に表現されています。緑や黒色の釉薬で絵や模様が描かれている点です。さらにこの作品は、それらの釉薬に黒色の釉薬である鉄絵を組み合わせた「絵織部（えおりべ）」となっています。

元箱もあり、鈴木五郎を紹介する案内も付属するなど、保存状態はかなり良好。高値でお譲り頂きました。

なお、お客様は陶器のコレクターであり、今回はお品を整理したいとのこと。自宅に伺うと他の織部焼をはじめとして、織部焼のルーツである美濃焼、桃山陶芸の作品がずらり。

中でも不均一で素材の土の感じが表現されているお品が多く見られました。

買取査定員からのコメント

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