買取実績
今回の買取実績紹介は東京都葛飾区のお客様より買取させて頂いた、
旧日本陸軍将校用の軍服です。
かつて使用されていたご本人の息子さんから買取のご依頼を頂きました。
お父様の遺品整理をしていたところ、押入れの奥から古い茶箱が出てきたので開けてみると
軍装品一式が大事そうに保管されていたそうです。
戦後から長い間大切にされていただけありまして、お品物は上下が揃っており、状態が非常に良いものでした。
また、兵用の官給品ではなく将校用なので、おそらくオーダーメイドと思われます。
息子さんのお話では、
「父が戦争に行ったことは聞いていましたが、軍服や勲章などがあるとは思わなかったです。」
と、大変驚かれておりました。
お父様はかつての思い出を大切にされていたのでしょう。
ほとんどダメージのないお品から、その思い入れが伝わってくるようでした。
将校とは、旧日本陸軍において少尉以上の階級を総称した呼び名です。
階級による違いは、当然の如く軍装にも表れます。
下士官の軍服は綿や木綿製のものに比べて、将校のものはウールや手織物などの丈夫で高級な生地を使用しています。
ご覧のとおり、軍衣の裏地には光沢感のある素材が使われています。
オーダー品なので、刺繍も細かく丁寧に施されています。
三方向から太陽の光が差しているようにも見える橙色の刺繍。
力強いデザインと鮮やかな色合いが目を引きますね。
また、写真では確認しづらいですが、
袖の裏地には、ピンク色の柄布が使われているのがわかります。
厳格な印象のある陸軍としては少々派手ともいえるデザインですが、
そこには興味深い文化的背景が存在します。
当時の日本陸軍といえば、軍服を瀟洒に着こなす「青年将校文化」が大流行しました。
将校階級になると軍服は私物となることから、軍装品に各々の個性を出してお洒落を楽しんだといいます。
こちらの商品のように細かいディテールを施すことで互いに自己主張し合い、
競い合ったのだそうです。
なので将校の軍装には、デザインに多少なり差異があるのですね。
持ち主の好みやセンスが反映されているので、その人となりも見えてくるような気がします。
例えば、こちら軍衣の袖の裏地と同じデザインが施された軍袴の裏地ですが、
ピンクのストライプ柄を取り入れているのがとても斬新です。
こういった見えないところでさりげなくお洒落を楽しんでいたのですね。
実物を見ると、当時いかに将校クラスが敬われていたかがわかります。
外観はシンプルでありながら、内側の細かいこだわりで、
それぞれの個性だけでなく将校としての威厳を放っていたことが伺えました。
間近で拝見させていただき、当時の背景がよみがえるようでした。
どの時代であっても服飾文化は息づき、人々の日常を彩っているのですね。
服を改造して自らの個性を楽しむという気概は現代にも通じるものがあります。
遠いような存在の方々が、ほんの少し身近に感じられました。
今回のご依頼、本当にありがとうございました。
ご自宅でコーヒーをごちそうになりました!とても美味しかったです。お心遣いに本当に感謝いたします。今回ご紹介させていただいた軍服の他に、軍帽、勲章、軍刀等軍送品一式を買取させて頂きました。貴重なお品物をお譲りくださり、ありがとうございました。処分されることなく、数ある買取店の中から当店をお選びくださったこと、大変嬉しく思います。遺品整理などでも、まずは処分される前にぜひ一度こちらの査定フォームこちらの査定フォームよりお問い合わせくださいませ。思わぬ高値がつくかもしれませんよ。